うつ病と戦う
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Cさん(女性)はカメラマンになりたいということで、カメラの専門学校に入学しました。2年間の勉強ののち卒業。就職は記念撮影する写真スタジオのカメラマンとして就職しました。

就職直後は朝の9時に出勤。掃除や開店準備をし10時にお店がオープン。ほとんどは予約のお客様なので予定通りに撮影し、定時の18時になったら退勤という一般的な勤務でした。

しかし、試用期間が過ぎた頃あたりに、小学校が夏休みに入りました。その写真スタジオは夏になると「夏キャン」と呼ばれるイベントが1ヶ月に渡って開催されます。だいたい小学校の夏休み期間中ずっとです。

通常なら1時間に1組、いれても2組づつしか予約は入れないのですが、夏キャン開催中は繁忙期になり、1時間に4~5組の予約を詰め込みます。そのため、カメラマンは大忙しで撮影し続けます。

昼食なんてとってる余裕はありません。食事を取らないまま働き、通常なら早番は18時に退勤になりますが、夏キャンの時は18時になんて退勤できません。

お店自体は21時に閉店になりますが、撮影が長引くとそれだけ閉店は遅れます。撮影が終わりやっと帰れるかというとそうではありません。閉店してからも業務があります。

カメラマンは閉店後は撮影機材の清掃と片付け、そのあとにその日の反省や翌日の予約状況の確認などするミーティングがあり、それが終わってやっと退勤です。時間は22時を過ぎていました。

幸い、店舗の近くのマンションに住んでいたため、お店を出てから10分もかからずに帰宅できました。朝9時から22時までほぼ立ちっぱなしだったため、家に着いた瞬間ベッドに倒れこみます。

そのまま寝たい気持ちを抑えながら、お風呂にはいり、朝しかご飯を食べていないのでご飯を作って食べます。これらが終わると時計はすでに24時を回っていました。

軽くテレビを見たら1時。次の日も仕事がある場合は8時には起きるので1時には寝ないと体力が回復しません。

また、通常は週休2日はある会社なのですが、繁忙期は週1しか休みがありません。当時はまだ20代前半と若かったため、週1しかない休みでも身体を休めるのではなく遊びに出かけれましたが、夏キャンが終わる頃の週には疲れ果て休みも家で休むような感じでした。

夏キャンの最後の方になると、入社したことに比べると体重は5キロ以上落ちていたそうです。

夏キャンが終わり、日中の業務は夏キャンが始まる前の通常量に戻りましたが、13時間勤務の毎日が終わると思ったらそうはいきませんでした。

この頃になると夏キャンが始まった最初の方に撮影したお客様の写真が出来上がってきました。閉店し通常の業務が終わったあとに、その出来上がってきた写真の中身を確認するという検品作業があったんです。

座りながらできる作業ですが、注文書と照らし合わせながら確認する作業は意外と時間がかかります。1日に約40件分の写真が届くのですが、正社員の3人で検品作業をしても1時間半から2時間はかかります。

検品作業を終える頃には時計は22時を過ぎていました。夏キャン開催中とほとんど一緒です。この作業は夏キャンと同じ期間の約1ヶ月間続きます。なので、丸2ヶ月間は1日13時間勤務が続きます。

夏キャンが終わり、検品業務も終わり繁忙期が過ぎると、そのスタジオは一気に閑散期になります。1日を通して予約が5組あればいいほどなくらい暇になります。そうなるとパートさんは休みになるのですが、正社員であるCさんは通常の週休2日しか休めません。繁忙期の時に週1しか休み取れていなかった分は休日出勤扱いになり、その分のお給料が支払われていたため、振り休という形にはなりませんでした。

閑散期は、暇なこともあり1日が長く感じてしまいます。だからといって特にすることもありません。このような期間が約2ヶ月間くらい続きます。

12月くらいから今度は冬キャンが始まります。冬キャンは単純に夏キャンの冬バージョンで、衣装が冬チックになります。

冬キャン期間中は夏キャンと同じような毎日が続きます。9時に出勤し、退勤は22時過ぎ。せっかく戻ってきていた体重も冬キャンが終わる頃には同じだけ減っていました。

冬キャンが終わったらまた、順々に届いた完成写真の検品です。これも1ヶ月くらいかかります。合わせて2ヶ月。これを乗り切れば1ヶ月間は落ち着きます。

3月に入ると、卒業(卒園)・入学(入園)シーズンになり、記念写真をとるお客様が多く訪れます。忙しさは夏キャンや冬キャンと同じくらいです。

卒業(卒園)・入学(入園)と同時に記念撮影するので同じお客さんが2度に渡ることはありませんが、毎日残業です。

4月には検品作業が入り、夏キャン・冬キャンと同じ期間だけ繁忙期となります。

このような生活が5年を過ぎた頃、体重は入社時よりも10キロも減り、職場の人間関係もあり、うつ病気味に…。

そこに追いついをかけ店舗の異動。車を持っていなかったため、公共の交通機関を乗り継いでの通勤でしたが、通勤だけで1時間半かかります。往復3時間。

繁忙期も前の店舗ほど忙しくはありませんでしたが、副店長としていったためやることは増え、さらに往復3時間の通勤時間。精神的な負担から本格的にうつ病に。

異動から半年もせずに退職にいたってしまいました。

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